2025年4月、アメリカの元大統領ドナルド・トランプさんが、ある発表をしました。
それは――
「これからは、外国からアメリカに入ってくるほとんどの物に、とても高い税金(関税)をかける!」
まず関税ってなに?
たとえば、日本の会社がアメリカに車を売るとき、アメリカは「関税」という税金をかけます。
これは、「アメリカの会社を守るため」にあるルールです。関税が高いと、外国の商品はアメリカで高くなってしまうので、あまり売れなくなってしまいます。つまり、外国の商品を買いにくくすることで、アメリカの中の会社がもうかるようにしよう!という考えです。
なんでそれが大変なの?
世界中の国は、お互いに物を売ったり買ったりしてくらしています。日本もアメリカにたくさんのものを売っています。
でも、アメリカが「たくさんの税金をかけるぞ!」と言い出すと、どうなるでしょうか?
アメリカに物を売っている国は、儲けが減ってしまうかもしれない
会社の業績が悪くなり、労働者の給料が減る
世界の経済がとても悪くなるかもしれない(世界恐慌)
こういう心配が一気に広がりました。
だから株が下がった!
「会社が業績不振になってしまう…」とたくさんの人が考えると、その会社の株を持っていた人たち(株主)は、あわてて株を売ります。
するとどうなるか?
売る人が増える → 株の人気が下がる → 株の値段が下がる
という流れで、どんどん株が安くなってしまいます。
このように、トランプさんの発表がきっかけで、世界中の株が大きく下がったことを、「トランプショック」と呼びます。
日本にも影響があるの?
トランプショックの影響は、アメリカだけではなく、日本にもとても大きな影響をあたえています。
日経平均株価ってなに?
まず、「日経平均株価」って聞いたことがありますか?
これは、日本の代表的な会社(トヨタやソニーなど)225社の株価の平均を表した数字です。
簡単に言うと、「今、日本の経済が元気かどうかを表すバロメーター」みたいなものです。
テレビやニュースで「今日の日経平均は◯◯円上がりました」「△△円下がりました」と言っているのはこの数字のことです。
それが2600円も下がった!
トランプさんが「ほとんどの輸入品に高い関税をかける」と発表した次の日、日本の株式市場も大きくゆれました。
なんと、日経平均株価がたった1日で2600円以上も下がったんです。
これはとても大きな下がり方で、ニュースではコロナショック以来の大騒ぎ状態でした。
ちなみに、株価がこんなに一気に下がるのは、「リーマンショック」や「東日本大震災」のような、大きな事件や災害があったとき以来です。
どうして日経平均株価が下がったの?
「アメリカの話なのに、なんで日本にも影響があるの?」と不思議に思うかもしれません。
理由は簡単で、日本の経済はアメリカと深くつながっているからです。
たとえば…
トヨタやホンダの車は、アメリカでもたくさん売られている
日本の電気製品や部品も、アメリカにたくさん輸出されている
アメリカの景気が悪くなると、日本の商品も売れなくなる
つまり、アメリカの経済が壊れそうになると、「日本の会社の儲けも減るかもしれない」とみんなが心配します。
その結果、「株を売っておこう」と考える人が増え、株価がどんどん下がってしまうのです。
わたしたちの生活にも関係がある?
実は、こういう株価の動きは、将来のわたしたちの生活にもつながってきます。
たとえば…
株価が下がる → 会社の利益が減る → ボーナスや給料が減る
株価が下がる → 投資の損が増える → お金を使う人が減る → 景気が悪くなる
というように、まわりまわって、学校を卒業したあと就職する時の「働き口」や「お給料」にも影響があるかもしれません。
これからどうすればよいか?
今回の「トランプショック」は、アメリカの発表がきっかけで、世界中の株価が大きく下がった出来事でした。日本も大きな影響を受け、こうしたニュースを聞いた私たちは、これからどうすればいいのでしょうか?
まず大切なのは、ニュースを遠ざけるのではなく、わからないことを“わかる”ようにすることです。
経済や株のことはちょっとむずかしそうに感じるかもしれません。でも、今回のように「なぜ起きたのか?」「日本にはどう関係があるのか?」を少しずつ知っていくと、不安が減って、世の中を見る目もぐっと広がります。
たとえば…
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授業や図書館の本で、経済の入門を読んでみる
こうした知識が、これからの“安心できる未来”を作ります。
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