地方から上京した後、そのまま東京で結婚や子育てを考える人は少なくありません。しかし、「東京は家賃も物価も高いし、子育て環境はどうなの…?」と不安を抱える方が多いのも事実です。
そこで今回は、上京後に東京で結婚・子育てするうえでの状況と、実際に暮らしやすくするためのポイントを解説します。
東京で結婚・子育てをする「きつさ」の正体
■ 生活費や家賃の高さ
東京の家賃相場は地方と比べるとやはり割高。さらに夫婦共働きでも、家賃や保育料、交通費などで出費がかさむケースが多いです。特に23区内の駅近物件は値段が高めなので、ゆとりのある広さを求めると厳しさを感じる方もいるでしょう。
■ 保育園や待機児童問題
保育園を探す際、人気エリアや駅近では待機児童の問題がまだ残っている地域もあるのが現状。職場復帰や仕事との両立を考えたとき、条件に合った保育園が見つかりにくいことが「大変」と感じる大きな要因になります。
■ 都市部ならではの「孤立感」
東京は利便性が高い反面、地域コミュニティが希薄なエリアも存在し、子育て中の孤立やワンオペ育児に陥りがち。近所付き合いが少なく、実家や親戚が遠い場合、体調不良や緊急時のサポートを得にくいのが現実です。
それでも東京で暮らすメリットは?
■ 求人・収入のチャンスが多い
東京には企業や店舗が集中しているため、共働きの仕事探しや収入アップのチャンスは地方よりも多いと言えます。育児休業制度や時短勤務制度を整えている企業も比較的多く、キャリア継続を目指す人には追い風。
■ 充実した子育て支援や医療体制
人口が多い分、行政の子育て支援策も豊富。ベビーシッター補助や自治体独自の子育てサポート事業(ファミリーサポートなど)を活用することで、家族や親戚が近くにいなくても子育て負担を軽減できるケースがあります。さらに医療機関が多く、緊急時の受診先を確保しやすいのもメリットです。
■ 選択肢の豊富さ
習い事やレジャー施設、教育プログラムなど、子どもの成長に合わせた選択肢が幅広いのは東京ならでは。公園や図書館、博物館も充実しており、子どもとのお出かけ先が多彩なのも魅力です。
住まい選びと生活コストの工夫
■ 通勤圏を広げてみる
家賃を下げたいなら、都心から少し離れたエリアや郊外を検討すると選択肢が増えます。東京近郊でも交通の便が良く、駅周辺が発展している地域は多数。郊外でも行政の子育て支援が充実している市町村も多いので、住む場所の比較検討が重要です。
■ 節約意識と共働きのバランス
生活コストが高い分、共働きである程度の収入確保を目指す家庭が多いのも現状。家事・育児分担や時短勤務、在宅ワークなどをうまく組み合わせることで負担を軽減しやすくなります。保育園利用料の補助制度や認可外保育施設の補助金制度など、自治体独自のサポートをチェックしておきましょう。
子育てコミュニティやサポートを活用
■ 地域コミュニティへの参加
東京にも自治体やNPOが主催する子育てイベント、ママ友・パパ友交流の場が多く存在します。公園での親子教室やSNSでの地域グループなどに参加することで、孤立感を軽減し、情報交換や助け合いが可能に。
■ 家族のサポート体制を検討
実家が遠い場合でも、短期帰省で里帰り出産を選択したり、ファミリーサポートセンターなどの制度を利用したりできます。費用はかかるものの、ベビーシッターや家事代行サービスを活用して負担を分散する方法も検討してみましょう。
結論:東京で結婚・子育ては「きつい」だけじゃない
確かに東京は家賃や保育園問題など、地方にはない負担や競争が存在します。しかし、その一方で多様な働き方や子育て支援、充実した医療体制など、子育てを支える環境も整いつつあるのが現状です。「家賃高いから無理」と決めつける前に、
希望する勤務形態(正社員・時短・在宅など)
自治体の子育て支援策や保育園事情
子どもの習い事や教育環境
家族やサポートサービスの利用可能性
などを総合的に考え、「自分たちに合うスタイル」を探すことがポイントとなります。上手に選択と準備を重ねれば、東京での結婚・子育ても十分やりがいある生活になるでしょう。
【参考】
- 東京都福祉保健局「子育て支援施策一覧」
– https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan_index.html
(東京都が行う子育て支援施策や助成制度がまとめられています) - 総務省統計局「住宅・土地統計調査」
– https://www.stat.go.jp/
(東京近郊と地方の家賃相場や世帯構成の違いを確認できる) - 厚生労働省「全国保育園情報・待機児童対策」
– https://www.mhlw.go.jp/
(保育園数や待機児童状況など最新データが公開されています)
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