
内見にきたけど、どこを見たらいいんだろう…?
賃貸契約時に内見は重要です。しかし何に注意したらいいのだろう、と考えたことはありませんか?悪徳不動産業者や管理会社に騙されないためには、自分自身でしっかり部屋の状態を確認することが重要です。いつの間にか余計な費用を請求されないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. まずチェックしたい外周・設備まわり
● 電気メーターのアンペア数を確認
玄関先や共用廊下などにある電気メーターを見て、アンペア数(A)をチェックしましょう。
30A以上であれば、エアコンや洗濯機、電子レンジなどを同時に使ってもブレーカーが落ちにくく安心です。古い物件で15Aや20Aしかない場合は、すぐブレーカーが落ちるリスクがあり、不便になるかも。
● エアコンは「大家さん設置」? それとも「残置物」?
エアコンが付いている場合は、誰の所有物かを事前に確認しましょう。
大家さん所有の場合:故障しても基本的には大家さん負担で修理・交換してもらえます。
残置物扱いの場合:壊れても自費で交換しなければいけないことが多く、しかも本体の撤去費用や処分費も自己負担になる可能性があります。
※残置物:賃貸契約が終了した際に賃借人が退去時に置いていく、契約外の物品
● 冷蔵庫・洗濯機のスペース
ワンルームや1Kでは冷蔵庫や洗濯機を置くスペースに余裕があるかを要チェック。扉が開かない、動線が狭くなるなどのトラブルを避けるため、サイズを測っておくのがおすすめです。
2. 室内フローリング・設備のポイント
● 元和室リフォーム物件の場合
築年数が古い物件は、もともと和室だった部屋をフローリングにリフォームしていることがあります。その目安の一つが「押し入れがそのまま残っているかどうか」です。
押し入れの名残
フローリングなのに押し入れがある場合は、多くの場合「以前は和室だった」可能性が高いです。リフォームの仕方によっては、床の下地が和室時代のままの場合もあるため、仕上がりや耐久性に差が出ることがあります。
丁寧なリフォームかどうかのチェック
施工状態によっては、床を踏んだ際に“たわむ”ような感触があるケースがあります。築年数の経過やリフォーム業者の腕次第で差があるので、足で軽く踏んだり、床をノックして強度を確かめましょう。
退去時のトラブル対策
もともと和室だった物件をフローリングに変えていると、下地材(畳下地や砂など)が残っているケースもあり、傷や凹みが発生しやすいことも。入居時点で気になる箇所は、写真を撮って日付付きで保存しておくのがおすすめです。
● クッションフロア vs. 本物のフローリング
床の素材には大きく分けて「クッションフロア」と「本物のフローリング」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、内見の際に確認しておきましょう。
本物のフローリング
特徴:木材特有の質感があり、物を落としても簡単には凹みにくい。耐久性にも優れ、長く住む場合には重宝されやすい。
チェックポイント:叩いた時の音が“硬め”で、踏んだ時に弾力を感じにくい。湿度が高い部屋だと反りや歪みが生じる場合があるので、壁際や隅に隙間がないかを見るのも大切。
クッションフロア
特徴:塩化ビニール系の柔らかい素材を使用しており、水まわりやキッチンなどでよく使われる。水が染みにくいメリットがある一方、強い衝撃で凹んだり破れたりしやすい。
チェックポイント:踏むと柔らかくへこむ感触があればクッションフロアの可能性が高い。重い家具の脚部分で床が凹むケースも多いため、退去時の補修費用請求を受けやすい。
退去時の原状回復トラブル
クッションフロアは特に傷がつきやすいので、管理会社によっては「床の全面張り替え費用」を請求されることがあります。
部屋の“通常使用”でつく傷なのか、過失による損傷なのかの線引きが曖昧な場合もあるため、入居前に現況確認書や写真できちんと記録しておきましょう。
● 壁の素材(塗り壁かクロスか)
壁紙クロス(ビニールクロス)が一般的ですが、築古物件やデザイナーズ物件では土壁や漆喰・珪藻土などを塗っているケースもあります。
土壁や漆喰壁の特徴
自然素材ならではの質感や調湿効果が期待できると言われ、味わいのある仕上がり。画鋲やネジで穴を空けると大きく崩れやすく、修復に手間と費用がかかる可能性が高い。また、経年劣化で表面がポロポロと剥がれ落ちることもある。
ビニールクロス壁の特徴
汚れや水分に強く、穴を空けても比較的軽度の補修で済む。湿気や汚れが気になる場所にも適しており、機能性を重視した壁紙として多くの家庭や施設で使用されている。
内見時のチェックポイント
質感を確かめるために、壁面を軽く触ってみると粉っぽい感触があれば塗り壁の可能性が高い。その際、触った部分がポロポロ剥がれるなら、退去時の補修費用がかさむリスクを覚悟しておく必要があります。色ムラや亀裂、表面の剥がれがないかを確認する。画鋲を使う予定があるなら、管理会社やオーナーに「壁に穴を開けてもいいのか」を事前に相談しておく。また、下地がどの程度崩れやすい壁なのか聞いておくと安心。
3. キッチン・水まわりの確認
● キッチン収納・換気扇の動作
キッチン扉の立て付けや、換気扇がしっかり吸い込むかを確認しましょう。特に古い物件では、換気扇が回っていても排気が弱いケースがあります。内見時にスイッチを入れさせてもらい、動作チェックしてみるのがおすすめです。
● バスルームの水はけ・シャワーの水圧
狭いユニットバスの場合でも、排水がスムーズかは重要。
シャワーの水圧が弱すぎないか
浴槽や洗い場の排水に問題がないか(詰まりやすい、流れが遅いなど)
建物の構造上、排水が極端に悪い物件もあり、生活に支障をきたす場合があります。内見時に「水を流して試してもいいか」を不動産屋に確認し、できるなら実際に流してチェックするのがベストです。
入居前にやっておきたい写真撮影
入居前の段階で床や壁の傷、汚れなどを写真に残すことはとても大切。
退去時に「あなたがつけた傷」と誤解され、補修費用を高額請求されるリスクを減らせます。気になるところはすべて撮影し、日時がわかるように保管しておきましょう。
4. 騒音・周辺環境のチェック
● 壁の厚さや間取り
コンクリート造の建物でも、隣の部屋との仕切りが押し入れや収納スペースになっていると騒音が伝わりにくい場合もあります。逆に壁一枚しかないと、音が漏れやすくストレスの原因に。
ただし上下の音(天井・床)は構造次第なので、内見時だけで完全に判断するのは難しい面も。気になる場合は不動産屋や管理会社に壁や床の厚みを確認してみるのも一つの手です。
● ゴミ捨て場の様子をチェック
マンション・アパートのゴミ捨て場の管理状況で、住民のマナーや管理会社の対応力がある程度わかります。
ゴミ捨て場が散乱している。回収日以外にも大量のゴミが放置されている
こうした物件は、トラブルや虫の発生源になりやすいので要注意。
● 害虫・ネズミのリスク
都市部ではゴキブリがまったく出ない物件を探すのは困難です。もし見かけるのが嫌な場合は、コンバットなどの駆除グッズを活用しましょう。
一方、ネズミが出る物件は駆除が難しく、業者を呼んでも根本的に解決できないケースが多いと言われています。発生エリアの情報収集(近隣の評判や掲示板など)も大切です。
5. まとめ
内見時ポイント:
- 電気や水まわり、エアコンの状態、床・壁の素材。
- 「残置物」扱いの設備(特にエアコンや照明)には要注意。故障時の負担を誰がするか。
- 内見時は排水や換気扇の動作チェック。
- 入居前は傷や汚れを写真に残すことが鉄則。
- マンションやアパートのゴミ捨て場や周辺環境、騒音の有無、害虫被害。
少し面倒に感じるかもしれませんが、内見時のチェックの徹底が住み始めてからの快適さとトラブル回避につながります。悪質な管理会社や不動産屋にうまく取り繕われてしまわないよう、ぜひ今回のポイントを押さえて、満足できる部屋を見つけてください!
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