「趣味はなんですか?」
――初対面の場面で定番の質問ですが、実はこれが一番困るという人も多いはず。
「これといった趣味がない…」
「正直に“特にないです”って言ったら会話が終わってしまう…」
そんな経験、ありませんか?この記事では趣味がなくても初対面で会話を広げられるコツをお伝えします。
初対面の会話の流れと途切れるポイント
初対面ではまず自己紹介や挨拶から入り、相手も同様に自己紹介をします。
その後、質問し合って話題を探ります。
よくある流れとしては、挨拶→雑談(天気や最近の出来事、出身地など)→共通点探し、というパターンです。
ところがここで落とし穴になるのが「閉じた質問」(はい/いいえで答えられる質問)です。
例えば「お酒は飲みますか?」「好きな食べ物は?」などを尋ねても、相手の返答が「はい」「いいえ」や単語一つで終わってしまうと会話が止まりやすいのです。
特に「趣味は何ですか?」で「特にないです」と答えてしまうと、その場の空気が固まってしまいがちです。
このような場面では、会話が途切れる原因に着目し、質問の仕方を工夫することが大切です。
趣味がなくても使える話題と話し方の工夫
趣味がなくて困ったら、無理に作ろうとせず、話題の幅を広げてみましょう。
例えば天気や季節の話題はどこでも使えます。
また、「ご出身はどちらですか?」「今お住まいの地域は?」といった土地にまつわる話題も共通点を見つけやすいテーマです。
最近のニュースや身の回りの出来事をネタにするのも会話を広げやすいです。
この間の祝日、どこか行きましたか?」と聞くことで相手が答えやすくなります。
さらに、SNSで話題になったかわいい動物動画や新発売の映画・ゲームなど身近なトピックは、砕けた会話の糸口になります。
- 仕事や生活について:新しい会社への転職やプロジェクトの話題、通勤ルートの話など身近なネタを共有します。
- 食事の話題:ランチのおすすめ店や最近ハマっている料理について尋ねると、自然と会話が広がります。
- 旅行・お出かけ:近所のおすすめスポットや、休日の過ごし方を聞くのも鉄板です。たとえば「このあたりでおすすめのお店はありますか?」と尋ねると、相手から情報が返ってきて会話が続きやすいです。
- 自分の情報の開示:自分から自己紹介をするのも手です。たとえば「私は○○部署の××です。近くにおいしいカフェがあると友人に聞いたんですが、知ってますか?」と自分の状況を織り交ぜつつ話すと、相手も答えやすくなります。
これらの話題は、趣味がない場合でも自然に会話をつなげられる例です。大事なのは、相手の答えに対してオープンな質問を返すこと。「はい/いいえ」で終わらない問いかけにすると、会話が途切れにくくなります。
相手に興味を持ち会話を広げるテクニック

会話を盛り上げるポイントは相手への興味と共感です。
リアクションを大きく取ることで相手は安心し、話したい気持ちになります。
たとえば、話を聞きながら笑顔を見せたり、相づちを打ったりすることで「話していて楽しい」「ちゃんと聞いてくれている」と相手に伝わります。
また、相手の話を深掘りするために5W1H(いつ・どこで・誰と・何を・なぜ・どのように)で質問すると効果的です。
たとえば「映画を観てきました」という返答には「それはいつ?」「誰と行ったの?」と聞き返し、相手が詳細を話せるように促します。
こうして得られた情報をもとにさらに「どうしてその映画を選んだの?」など質問すれば、自然に会話が続きます。
コミュニケーション上手な人はしばしば「さしすせそ」の言葉を使います。
これは「さすが!」「知らなかった!」「すごいですね」「センスいいですね」「そうなんですか」に代表される相づちです。
相手の話に驚きや感心を言葉で示すと、相手は「話してよかった」と感じてさらに話したくなります。
例えば相手が旅行好きなら「へえ、海外旅行に行かれたんですか?すごいですね!」と驚きを添えるだけで、会話の温度が上がります。
また、自分の悩みや助けが必要な状況を正直に伝えるのも有効です。たとえば、「この街に来たのは初めてで、おすすめのランチスポットがわからなくて…」と相談すれば、相手は親切に答えてくれます。
仕事の場面なら「前の会社ではどんな仕事をしていたんですか?」と経歴を尋ねると、相手もこれまでの経験を話しやすくなります。
共通点を見つけることも会話を弾ませるコツです。出身地や行ったことのある場所、好きな食べ物など、ちょっとした話題で「私もそれ好きです!」と反応すれば、親近感が生まれます。
会話例文
会話例1(職場の新人歓迎会):
A: 初めまして、私は田中と申します。今日から××部に配属されました(自己紹介)。
B: 田中さん、はじめまして。歓迎会でお話できてうれしいです!(リアクション)ところで休日は何をしているんですか?
A: 実は…特に趣味と呼べるものがなくて(悩みを打ち明け)、最近は週末にNetflixで映画を見たりしています。
B: なるほど、映画ですか。最近観た映画で面白かったものはありますか?(相手の話を深掘り)
A: はい、先週『〇〇』を観ました。すごく感動して…(以降、映画トークへ移行)
会話例2(友人の合コンで)
A: はじめまして、山田です(自己紹介)。
B: 山田さん、よろしく!普段は仕事忙しいの?
A: はい、営業の仕事でほとんど毎日外に出ています。おかげで趣味は特になくて…(自分の状況を素直に話す)
C: 仕事で外に出るんだ!それならおいしいランチスポットはたくさん知っていそうだね(リアクション+話題転換)。
A: そうですね、実は近所においしい蕎麦屋さんがあって…(会話がランチの話に発展)
会話例3(異業種交流会で):
A: こんにちは、イベントセミナーに参加させていただいている××です。
B: 〇〇さんですね、初めまして。これから色々な業界の方と話せるの楽しみですよね。ところで最近気になるニュースはありました?
A: ニュースですか…最近はニュースアプリでAI技術の記事を読んだくらいで(趣味以外の話題に応用)。
B: AIのニュース興味深いですよね。私もその記事見ました!(共通話題を発見)AIといえば、自社でも新しいアプリ作っているんですけど…(以降、自社プロジェクトの話へ)
心理的安心感と自己肯定感を高めるアドバイス
まず覚えておきたいのは、「会話が得意な人」も最初から話すのが上手だったわけではないということです。
実際、初対面で何を話せばいいかわからないと感じる人は多く、その不安は誰もが持っています。
会話を楽しむコツは「上手に話すこと」ではなく、「相手との時間を楽しむこと」です。先述の通り、たとえ言葉に詰まっても、笑顔を絶やさず相手に興味を持って話を聞けば、その姿勢が相手に伝わり、会話は自然と続きます。
沈黙を恐れずにリラックスしましょう。無理に話題を捻り出そうとするとかえってぎこちなくなります。
むしろ深呼吸をして心を落ち着け、「自分のペースで大丈夫」と自分に言い聞かせてください。例えば「最近●●が流行っていると聞きました」「どこ出身ですか?」など気軽に質問してみるだけでも、会話のきっかけになります。
まとめ
- 趣味がなくても大丈夫:会話のネタは趣味以外にも天気や出身地、仕事、ニュースなど幅広くあります。無理に趣味を作るより、相手や状況に合わせた話題を選びましょう。
- オープンな質問を心がける:『はい/いいえ』で終わらない質問をすることで会話が途切れにくくなります。相手の答えに「どうして?」と続ける習慣をつけましょう。
- 相手に関心を向ける:笑顔・相づち・共感ワード(「なるほど」「そうなんですね」など)で相手を受け止め、話を深堀りします。会話の7割は聞き手に回るつもりで、相手が心地よく話せる環境をつくりましょう。
- 自信を持つ:あなたが思う以上に多くの人が会話に不安を感じています。完璧を求めず、「まずは自分も会話を楽しむ」姿勢で臨めば、自然体で話せるはずです。
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