転職直後の職場|馴染めず辛いと感じる理由と解決策

転職

転職後馴染めない心理的な理由

新しい会社に入ってまだ1ヶ月。

「徐々に職場に慣れてくるころ…」と思いきや、実はこの時期は慣れない環境での疲れや不安から「職場に馴染めない」「つらい…」と感じる人が非常に多いのです。

転職経験者の約9割が入社後1ヶ月以内に何らかの不安を感じており、特に「人間関係がうまくいくか」を不安に挙げた人が87.7%にも上ったという結果が出ています(doda.jp

では、なぜこんなに不安で孤独に感じてしまうのでしょうか?

それは「未知=危険」と本能的に判断するため。知らない環境に不安を覚えるのは生物学的にごく当たり前の反応です。

新しい職場・新しい同僚といった「未知」の状況に置かれれば、脳が警戒モードになり緊張やストレスを感じやすくなります。また、職場というのは嫌なことがあっても毎日行かねばならない“逃げにくい環境”です。そのため、一度孤独や不安を感じると逃れにくく、余計につらく感じられてしまう面もあります。

転職後、「馴染めない」「孤独に感じる」その理由は社風や周囲の状況、自分の緊張など様々であり、決して人間的な問題とは限りません。

「自分が悪いのかも…」と自分を追い詰めないことが大切です。その上で、「これは新しい繋がりや自分が成長するチャンスかもしれない」と前向きに捉えることが大切です。少し視点を変えるだけでも、気持ちが軽くなるはずです。

会話が続かない・周りに馴染めないときの対処法

入社して間もない頃は、雑談ひとつするにも緊張してしまい、会話が続かず気まずい沈黙…という場面が多いかもしれません。

同僚たちが楽しそうに話している輪に入れず、「自分だけ浮いている」と孤独を感じることもありますよね。実際、新しい職場で人間関係の築き方が分からないと悩む人は非常に多いです。

では、周りに馴染めないと感じるとき、どんな工夫ができるでしょうか?

いくつか具体的な対処法を挙げてみます。

明るい挨拶を心がける:
たとえ緊張していても、毎日笑顔で「おはようございます」と挨拶することから始めましょう。シンプルですが、これだけで話しかけやすい雰囲気を作れます。同僚に誘われたランチや飲み会など職場外での交流機会にも可能な範囲で参加してみると尚良いです。最初は勇気が要りますが、「感じの良い人だな」と思ってもらえるきっかけになります。

相手の良いところを褒める:
人は誰しも自分に関心を持ってもらえると嬉しいもの。同僚の仕事ぶりや身につけているものなど、素敵だと感じた点は積極的に言葉にして伝えてみましょう。「〇〇さんのプレゼン分かりやすかったです」「そのスマホケースおしゃれですね」など、小さなことでも構いません。褒められて嫌な気分になる人は少ないですし、会話の糸口にもなります。

丁寧な言葉遣いで接する:
年齢や立場に関係なく終始ていねいな言葉遣いで接した方が良いでしょう。礼儀正しさはそれだけで好印象ですし、「この人はきちんとしている」と信頼感にもつながります。打ち解けてきて軽い冗談を言い合う仲間ができるまでは、丁寧すぎるくらいでも損はありません。

共通の話題を探す:
会話が続かないときは、自分と相手の共通点を見つけることを意識してみましょう。例えば自分の趣味の話をさりげなく話題に出してみたり、週末に出かけた場所の話をしてみるのです。心を開いて情報をオープンにすると、相手も「実は私も○○好きなんです」と乗ってきてくれるかもしれません。逆に相手の趣味やプライベートの話題を質問してみるのも◎。共通の話題が見つかれば、一気に親近感が湧いて会話も弾みやすくなります。

仕事に集中し信頼を得る:
どうしても人付き合いに自信が持てない場合は、まず目の前の仕事をしっかりこなすことに集中するのも一つの手です。与えられた業務を丁寧に遂行し、小さなことでも着実に成果を出していけば、周囲から「頑張っているな」「頼りになるな」と信頼されていきます。仕事を通じて存在感が認められると、自然と職場の人とも打ち解けやすくなりますよ。

以上のように、最初は小さな一歩で構いません。笑顔・挨拶といった基本から始めてみましょう。相手も「あなたがどんな人か」まだ探っている段階です。こちらから少し歩み寄るだけで、距離感は徐々に縮まっていきます。

また、仮に雑談が途切れてしまっても、無理に話を続けようとせず、「では仕事に戻りますね」と一旦切り上げ、次の機会にまたチャレンジすれば大丈夫。焦らず少しずつ関係を深めていきましょう。

わからないことが聞きにくい職場での「聞き方」の工夫

「質問したいことがあるのに、先輩や上司が忙しそうで声をかけづらい…」「こんな基本的なことを聞いたら呆れられるかも…」──そんな風に感じて、分からないことを聞けずに抱え込んでいませんか?

実は、「聞きたいときに質問・相談できない」新人は約4割もいるそうです。それが原因でモチベーションの低下を感じているという調査結果もあります(prtimes.jpより)。

特に「タイミングが合わない」「先輩に遠慮してしまう」といった理由で質問を諦めてしまうケースが多いようです。しかし、わからないことをそのまま放置するのは仕事にも自信にも悪影響です。ここでは、「聞きにくい」を「聞ける」に変えるための工夫をご紹介します。

まず前提として覚えておいてほしいのは、「質問されるのを嫌がる上司はいないはず」ということです。新しい環境でわからないのは当たり前ですし、わからないまま進めて大きなミスをされる方が上司にとっては怖いからです。むしろ入社直後の今は「何でも聞いていいよ」と周囲も思ってくれている時期なので、遠慮しすぎる必要はありません。

わからないことを堂々と聞けるのは入社間もない時期の特権」という言葉もあります。時間が経つほど逆に聞きづらくなるものですから、遠慮せずにどんどん質問した方が成長も早いのです。

そうはいっても、「こんなことも分からないの?」と思われたらどうしよう…と不安になりますよね。

確かに、中には忙しさから素っ気ない対応をする先輩もいるかもしれません。

しかしそれはあなた個人を否定しているわけではなく、単に質問の仕方やタイミングの問題だったりします。

プライドが邪魔したり評価を気にしたりして聞けない場合もあるでしょうが、分からないことを放置してしまう方が結果的には自分の評価を下げることになりかねません。大前提として、「分からないことを質問するのは自分の成長や職場全体の成果につながる」という前向きな意識を持つことが大事です。多くの先輩は「早く仕事を覚えて成長したい」という姿勢に対しては否定的ではなく、思い切って聞いてみたら意外と快く教えてくれるものです。

では具体的に、聞きにくい雰囲気の中でも上手に質問するためにはどうしたらよいのでしょうか?

疑問点を整理して明確にする:
漠然と「色々わかりません…」と聞くのはNGです。まず自分の中で「何がわからないのか」を整理しましょう。仕事の全体像や手順を書き出し、その中で自分が詰まっているポイントを洗い出すのです。例えば「この作業の目的が理解できていない」「AとBどちらの方法で進めればいいか判断つかない」等、具体的なお悩みに分解します。聞きたいことを明確にすれば相手も答えやすくなり、欲しい答えに近づきます。

質問する相手とタイミングを見極める:
誰に聞くべきか、いつ聞くのが良いかも重要なポイントです。まず、その内容に一番詳しそうな先輩は誰か考えましょう。同じ部署の先輩なのか、担当の上司なのか、場合によっては別部署の詳しい人かもしれません。次に相手の様子を観察し、忙しさが一段落していそうなタイミングを狙います。朝一や締切直前は避け、昼食後や午後の比較的余裕がありそうな時間帯に「○○さん、今お時間よろしいでしょうか?」と声をかけるだけでも、かなり質問しやすくなります。

質問の伝え方を工夫する:
聞きにくい職場でも、ひと言添えるだけで質問しやすいムードを作ることができます。たとえば相手が忙しそうなら「お忙しいところすみません、ちょっと質問よろしいでしょうか?」と前置きする、終わった後に「お時間いただきありがとうございました」とお礼を伝える、といった気遣いです。また要領を得ない質問は相手も答えにくいもの。要点をはっきり伝え、「〇〇について△△という理解で合っていますか?」のようにYes/Noや具体的なアドバイスをもらいやすい形で質問すると◎。

一度聞いたことも遠慮なく確認する:
「前にも説明してもらったのに、また聞いたら怒られるかも…」と尻込みしてしまうこともありますよね。しかし、理解できていないことを放置する方が問題です。もし聞いたけれど腑に落ちていない場合は、「自分では理解しきれていないと感じまして…」と率直に再度質問してみると良いでしょう。ポイントは、曖昧に頷いてごまかさないこと。「申し訳ありません、もう一度教えてください」と素直に頼めば、真剣に学ぼうとする姿勢はきっと伝わります。「同じ内容で二度三度質問になったが、聞かないと進まないので勇気を出して尋ねた」という先輩転職者の体験談もあります。聞きづらさに負けず、分からない箇所を確実につぶしていきましょう。

相談できる人を社内外で見つける:
職場によっては本当に周囲が忙しく、気軽に質問しにくい雰囲気の場合もあるでしょう。そのような環境では、この人なら相談しやすいという先輩や同僚を一人見つけておくと心強いです。周囲をよく観察し、「あの先輩はいつも気にかけてくれるな」と感じる人や、頼りになりそうな人に思い切って話しかけてみるのも良いでしょう。「最初は誰にでも聞いていたけれど、徐々に信頼できる先輩を絞っていった」という人もいます。また社内にどうしても聞ける人がいなければ、社外の知人や同業界で働く友人に相談する手もあります。自分一人で抱え込まず、頼れる相手の存在を確保しておくことで、いざという時の安心感が違います。

上記のような工夫を重ねれば、「聞けない…」という壁は少しずつ低くなるはずです。

最初にしっかり教わってしまえば、その後仕事が格段に進めやすくなり、自身の不安も減ります。「こんなこと聞いていいのかな…」と萎縮せず、今のうちにたくさん質問して吸収するくらいの気持ちでいましょう。先輩方もきっと快く力を貸してくれるはずですよ。

1か月~3か月で徐々に変化を感じるためのステップ

今が一番辛い時期だとしても、時間の経過とともに状況は少しずつ良くなっていく可能性が高いです。

実際、「転職3ヶ月の壁」という言葉があるほど、入社3ヶ月前後はストレスや孤独感がピークになり「辞めたい」と悩む人が少なくありません

けれど、その壁を乗り越えた先には明るい景色が開けているものです。アンケートによれば、入社後に抱いた不安が「解消した」と感じ始める時期について、「1~3ヶ月」と答えた人が19%、「3~6ヶ月」が13%おり、不安を感じていた人の約6割が半年以内に不安が解消したという結果も出ています(doda.jpより)。

また、転職経験者のほとんどは最終的には新しい職場に馴染むことができており、不安が解消されれば95%の人が「職場に馴染めた」と感じているそうです。つまり、最初は孤独で不安でも、多くの人は数ヶ月のうちに環境に適応し始めているのです。

では、1ヶ月目から3ヶ月目にかけて具体的にどのようなステップで変化が訪れるのか、月ごとの目安と心構えを見ていきましょう。もちろん成長ペースには個人差がありますが、ひとつの指標として参考にしてください。

入社1ヶ月目:
とにかく目の前の業務と新しい環境に慣れることで精一杯の時期です。毎日が緊張の連続で、家に帰るとぐったり…という方も多いでしょう。この時期は「職場に馴染めない」と感じて当然です。まずは会社のルールや仕事の流れを覚えること、自分の役割を理解することに集中しましょう。分からないことだらけなのは当たり前なので、前述のように遠慮せず質問し、教わったことはメモを取り復習する習慣をつけてください。

同時に、同僚や先輩の名前を覚えて笑顔で挨拶する、人の話をよく聞く、といった基本的なコミュニケーションを大切にします。まだ雑談で盛り上がれなくても大丈夫。「新人だから聞いて当たり前、できなくて当たり前」と自分に言い聞かせ、学ぶ姿勢を示していればOKです。この1ヶ月は心身ともに疲れが溜まりやすいので、前項で述べたようにプライベートではしっかり休息を取りましょう。

ときには不安で胸がいっぱいになるかもしれませんが、「今が踏ん張りどころ。自分だけじゃなく皆通る道なんだ」と自分を励ましながら、一日一日を乗り越えてください。

入社2ヶ月目:
少しずつ仕事内容の全貌が見え始め、基本的な作業にも慣れてくるころです。1ヶ月目に比べれば、毎朝の緊張感や疲労感も幾分和らいでくるかもしれません。業務に余裕が出てきた分、周囲を見る余力も生まれてくる時期です。

まず、1ヶ月目に教わったことを土台にして、自分なりに仕事を進めてみましょう。わからないことは引き続き質問しつつも、頻度は少し減り、「一人でできること」が増えている自分に気づくはずです。それだけでも自信につながり、不安も軽減されていきます。また、職場の人との関わりもこのあたりから少し深まり始めます。毎日の挨拶に加え、ちょっとした雑談を自分から振ってみたり、相手から話しかけられる機会も増えてくるかもしれません。「そういえば○○さん、前に△△が好きって言ってましたよね?」と以前の会話を踏まえて話題を出してみるのも良いでしょう。

2ヶ月目くらいになると、同僚もあなたの存在に慣れ、警戒心も解けてきます。社内行事やランチの誘いがあれば思い切って参加し、職場の人となるべく接点を増やしてみましょう。まだ「親友」のようにはいかなくても、「業務外でちょっと立ち話する相手」が一人二人できるだけでも孤独感はぐっと減るものです。

不安に感じていたことのいくつかは、この頃までに解決策が見えていたり、自分なりに対処できるようになっているでしょう。「以前は毎日緊張でいっぱいだったけど、最近少し余裕が出てきたな」と自分の変化に目を向けて、小さな成長を認めてあげることも大切です。

入社3ヶ月目:
一般的に「3ヶ月経てば職場に慣れる」と言われる節目の時期です。ただし、良くも悪くも緊張の糸が切れやすい頃でもあります。これまで頑張ってきた反動でストレスがピークに達し、「ここまでやってみたけど正直もう限界かも…」と感じる人が出てくるのも事実です。いわゆる「転職3ヶ月の壁」ですね。

しかし、その壁をもうひと踏ん張りで乗り越えれば、視界が開けてくる可能性大です。業務面では、3ヶ月も経つと大抵の基本業務は一通り経験し、少し難しい案件にも挑戦し始める頃でしょう。業務の流れが掴めているぶん主体性を発揮しやすくなり、「次はこんな改善提案をしてみようかな」など自分から働きかける余裕も生まれやすくなります。

人間関係の面でも、そろそろ社内であなたのキャラクターが認識され、「○○さんはこういう人」というポジションができてくる頃です。親しく話せる同僚や頼れる先輩が見つかり、「困ったらとりあえずこの人に相談すれば大丈夫」と思える存在ができていれば御の字でしょう。3ヶ月経っても孤独感がゼロになるとは限りませんが、少なくとも1ヶ月目の頃のような心細さや疎外感は薄れているはずです。

中にはもう「この職場でやっていけそうだ」と実感できる人もいるでしょう。3ヶ月経っても状況が大きく変わらない場合は、上司に現状の悩みを相談してみるのも一つです。環境や配置転換など、会社側がサポートできることが見つかるかもしれません。また、「どうしても合わない」と感じるなら転職エージェントなど第三者に相談してみる手もあります。自分を責めすぎず客観的な視点を取り入れることで、今後取るべき道が見えてくるでしょう。

最後に

最後にお伝えしたいのは、ほとんどの人は最初孤独でも、いずれちゃんと職場に馴染めている」という事実です。

今はまだ不安かもしれませんが、半年も経てば振り返って
「最初は辛かったけど、だいぶ楽になったな」と感じられる可能性が高いのです。

実際、転職経験者の95%が最終的には新しい職場に適応できたと答えています(doda.jpより)もちろん、人によってはもう少し時間がかかるかもしれませんが、それでも今日より明日、明日より来月…と少しずつ良くなっていくことを信じてください。

孤独や不安を抱えながら新境地に飛び込んだ方は、それだけで大きなチャレンジを成し遂げています。最初の数ヶ月は誰でも辛いもの。その中で少しずつでも努力を重ねている自分をどうか労ってあげてください。

職場での人間関係や仕事の進め方に悩んだら、ぜひこの記事の内容を思い出し、できることから実践してみてくださいね。一歩一歩前進していけば、きっと「職場に自分の居場所がある」と感じられる日がやってくるはずです。応援しています。👍

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